
さて、よく聞いてください。スマートフォンの世界では、10年前の機能は悪いことではありません。スマートフォンは接着剤でしっかりと密閉されているため、古いものも新しい…のです。ですよね?
SamsungのGalaxy S23 Ultraは、レビュアーたちに好評です。ソフトウェアの性能は素晴らしく、S22で問題となったオーバーヒートはこれで解消されるのではという希望がもてます。しかしハードウェアは、さほど大きな変化はありません。開示情報として、私たちはSamsungと連携しながら世界中のDIYテックや修理愛好家のユーザーたちに向けて部品やツールを提供しています。一方で、この新モデルと私たちが行う分解は、完全に独立しています。ですからiFixitの分解では連携に左右されない、公平な意見を述べています。
Samsung S23 Ultraの分解ビデオ
Samsung S23 UltraのX線画像
Creative Electron社より、2023年のUltraモデルのX線画像が届きました。このUltraで唯一発見できた”新機能”はウルトラ級に目立つヒートシンクです。ステンレス製のヒートパイプは、プロセッサから発生する熱を管理しやすいのかもしれません。またこのモデルでも、SamsungのExynosからSnapdragonに切り替えて、熱管理の大部分を担わせているのかもしれません。

Galaxy S23 Ultraのオープニング
iFixitのツール開発チームが生み出してくれたClampyのおかげで、デバイス開口作業の手順が変わりました。iOpenerで接着面を少し加熱し、アンチクランプで安定した圧力をかけると、この頑固な接着剤に対して目を見張るほどの作用が働きます。また、新ツールの紹介ですが、FixMat があれば17本のミッドフレームネジの位置情報をすべて安全に管理できます。
さてここで分解のハイライトは、「iPhone 4」で初めて採用されたバッテリー取り出し専用のハンドルが、この新モデルにも登場したことです。例えばOnePlus 5を例に、多くのメーカーがこの非ストレッチタイプの接着剤を使用しています。時が経つのは早いもので、このデザインを見たのはもう12年以上前のことです。分解作業では、このハンドルを使って接着ストラップを引っ張るのは大変でした。別の接着面が乖離し始めたと思いましたが、結果は見事に成功しました。ここで断言しましょう、これはGalaxy S6とS6 Edge以来、最も簡単にバッテリーを取りだせた初めてのGalaxyフォンです。そしてプルタブにはラベルも付いています!ついにSamsungはバッテリーは取り外せるもの、そして取り外せるべきだということを認めてくれました。
S23 Ultraに搭載された取り外し可能なバッテリーが意味すること
新しいバッテリータブ以外のハードウェアに着目すべき変更はありません。この新モデルのリペアビリティはどう評価されるのでしょうか?Galaxy S21は、リペアビリティ評価で4/10を獲得しています。バッテリーに新しくプルタブが付けられているので、S23のリペアビリティスコアは4/10以上の獲得は当然と言えるでしょう。古い接着剤を剥がして、新しい接着剤を慎重に貼り直す必要はありますが。

しかし、携帯電話の修理はここで終わることはありません。Samsungが部品と修理マニュアルを公開すれば、私たちが評価するS23のリペアビリティスコアは6/10を獲得することができます。これは過去10年間で見たことのないスコアであり、DIY修理にとっては大きな改善となります。S22はユーザーに部品や工具の提供がある*ことを考えると、S23のラインアップも高いリペアビリティスコアを達成する可能性は十分にあります。ちなみに、iPhone 4のスコアは6点/10点でした。しかしリンゴとオレンジを比較できないのと同じように、12年という製造年のギャップがある中で比較することはできません。
もう少し使いやすく信頼性の高いプルタブが欲しいところですが、タブが付けられているということは、修理する権利が急速に浸透している証拠です。この次はサードパーティー製のスクリーンを保護する方法を考え、メーカーに対して接着剤の使用を減らすよう説得する必要があります。
*このサービスはSamsung公式英語ページで案内されており、日本語サイトには含まれていません。(2023年3月現在)
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