2022年秋にはMetaのQuest Proが発売され、2023年にはAppleとSonyの参入が予定されていることからも、AR (拡張現実)とVR (バーチャルリアリティ)が続々と登場しています。そんな中、3年前に発売されたValve Indexを分解する時期が来たようです。実は、発売時にValve Indexを分解して、その修理ガイドを公開しています。(実際に、完全版修理ガイドがありますのでご利用ください)その際に、分解による詳細な分析を行いませんでした。ここに新Oculus、いや間違えました、Metaの新ハードウェアの惨憺たる出来映えを見れば、今こそじっくりとValve Indexの内部を考察する絶好の機会だと思うのです。
Meta Quest Proの分解では約150本という数のネジと何時間にも及ぶ分解の苦悩を味わい、数年前に発売されたValve Indexがこれほどまでに合理化されているとは想像すらしませんでした。しかしValveのエンジニアたちは、彼らが何を目指しているのか本当によく分かっています。彼らはゲームメーカーであり、ゲーマーのためにゲームコンソールを製造しています。常識的な予算と、実に巧妙なアイデアを持っています。まさに、それがValve Indexに表れているのです。
26本のネジ、簡単な分解作業、そして言うまでもなく、私たち人間が犯すミスもあります。しかし全体として見れば、印象的な設計であり、(Metaverseのように)360億円という膨大な開発費用もかかっていないことは明らかです。もう少し設計に配慮がなされていればと思うところはありますか?もちろんです。
- Lighthouseは修理できない設計のようで、消耗が速いことを考えると残念な気がします。これはキャリブレーションができない問題によるものと思われますが、それでも修理しやすく設計できる機会が来ることを期待しましょう。
- ヘッドセットやコントローラーに付いているクッションは接着されているため、汗や脂で汚れた肌に頻繁に触れることを考えれば、この仕様はあまり望ましくありません。
- また、接着力が強すぎる例もあります。この場合も、おそらくキャリブレーション上の問題か、耐久性を向上させるためのぎりぎりの修正だと思いますが、修理は接着剤よりもデバイスを長持ちさせることができます。
- そしてコントローラーのバッテリーについても、言いたいことがありますが、それは別の日に言うとして……。

しかしValveが考案したシンプルな解決策を見ると、感銘せずにはいられません。サウンドクオリティは素晴らしく、ヘッドセットに独特のスピーカーアームを搭載しています。そのスピーカーを固定するヘッドバンドは、コッパー製ピンでメインバンドに固定されていて、挟まれたり摩耗するような配線はなく、実に見事なデザインです。絶妙な重さのコントローラーから、楽しいチュートリアルまで、このデザインのすべてに配慮が感じられ、まさに人間味が感じられます。Metaは、バーチャルなユーザーを獲得するのに苦労しているようですーつまり、これをバーチャルオフィスとして使うのでしょうか?もしくはFacebookを閲覧するための新しい方法でしょうか?その目的が曖昧であるからこそ、Metaの失敗が顕著に現れています。Metaの開発したハードウェアはとてもカッコ良いですが、複雑になりすぎていて、ソフトウェアは無機質で温かみと個性に欠けています。ValveはIndexのユーザーを熟知しており、正直なところ、Valve自体がユーザーの一人であるかのように楽しんでいるのが目に見えます。
確かにこのデバイスは数年前のもので、技術的には古い時代と見なされることもありますが、このヘッドセットは本当に独自のクラスを持っています。この考え抜かれたハードウェア設計だけでなく、Valve社が製品ラインアップ全体に示した配慮も素晴らしいです。Valveの次期VRヘッドセット「Project Deckard」が約束する明るい未来は、たやすく想像できます。それが修理可能なものであることを祈るばかりです。
翻訳:Doi Midori
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