iFixitスタッフ達は日々、私はコミュニティメンバー達から投稿された多岐にわたる小型家電の修理ガイドをレビューしています。つまり電子機器にはどのようなパーツが使用されているか、かなり精通しています。通常、電化製品には古くから親しまれている「プラスネジ」が使われています。しかし約1年前、iFixitのテクニカルライティング・プログラムの学生たちが、Breville Juice Fountain Plusという珍しいネジを見つけて困惑しました。
彼らはこのネジを見たこともなければ、ネジの名称すら知りませんでした。そこで、私たちに尋ねてきました。
実は、私もそのネジの正式名称を知りませんでした。”割れ目入りマイナスネジ “や”ダッシュ2本付きネジ “などの表現を入れてGoogle検索をしました。結果として”2つの溝があるネジ “というキーワードでヒットしました。そこで、このスパナネジが、自動販売機の留め金として使用されていることが分かりました。
「スパナ」という言葉はレンチのことだと聞いたことがあるかもしれませんが、ネジの頭に複数のピンホールやスロットがある防犯ネジのことも指します。ピンホールやスロットは錠前のような役割を果たします。取り外すには専用のビットが必要なため、犯罪目的としたグループや暴徒化した集団でもアクセスしにくい利点があります。(またペンタローブやセキュリティトルクスのように、一般的なマイナスドライバーを差し込んで回すこともできません)
このピンホールの形状から「豚の鼻」や「スネークアイズ」といった、変わった名称が付けられています。確かにネジのデザインは少しコミカルですが、メーカーによっては、そのユニークでミニマルな美しさからスパナネジを好んで使うところもあるようです。例えばライカカメラは、1950年代にレンジファインダーカメラのツマミにスパナネジを採用していました。そのマイナーな人気は今日まで続いています。スパナは、Manta Driver KitやMahi Driver Kitに含まれるほど、電子機器に使用される頻度が高いのです。
自動販売機やビンテージカメラに使用される以外にも、高速道路の標識、トイレの個室、エレベーターなど、公共物の破壊を防ぐためにもスパナは使われています。
実際、2ピンヘッドのタイプは、ロンドン地下鉄を代表する標識でも見ることができます。iFixitのバスルームには、ソープディスペンサーを泥棒から守るために、溝付きスパナも置いてありました。付属のドライバは、鍵のようなものです。
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このセキュリティネジはいつ頃から存在しているかというと、それはもう想像に難くありません。1945年当時、このネジは米国海軍ツールマニュアルに記載されるほど一般的なものでした。少なくともそれ以前から存在していたことになります。そして、このネジが比較的どこにでもあることから、この先も存在し続けるでしょう。
このブログを読んだ後、「豚の鼻」や「スネークアイズ」の形状をしたネジを探してみてください。そして、この特殊ネジを見つけた意外な場所があれば、私たちに教えてください。
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